縁結び」に比べると「縁切り」は怖い響きを帯びますね。
でも、いま苦しみの元凶となっている悪縁を切るのですから、たいへん良いことです。
悪縁を切れば、新たな良縁も舞い込むことになるでしょう。
実際、昔は「縁切り」だけを売りにしていた寺社も、最近は「縁切りはすなわち縁結びだ!」なんていって参拝客を増やそうとしたりしています。

縁切りの安井金比羅宮

京都の縁切り神社ランキングをつけるとすれば一番はこちらでしょう。
安井金毘羅宮の写真
あまりに有名な「縁切り縁結び碑」は、もはや原型がわからないほどにたくさんの縁切り祈願の形代が貼付けられています。
石自体はごく最近に作られたものですが、圧倒的な集客力を誇っています。
ずりずりと狭い穴を這って通り抜ける感覚が脳を刺激してくれます。

2013年には台風の雨風で長年積み重なった形代がずるっとむけてしまい、しばらくはほっそりした姿を見ることができましたが、いまはもう重量級に戻っています。
安井金比羅宮

縁切りの鉄輪の井戸

鉄輪の井戸は命婦稲荷社のすぐ前にある小さな井戸。
もう枯れて水はないそうですが、その霊力は生き続けており、持参した水にそのパワーを移して持ち帰り別れたい相手に飲ませればよいのだそう。
その起源は平安時代に遡ります。夫に浮気をされ裏切られた妻が夫を呪い殺そうとし、逆に呪詛返しを受け井戸に見を投げて死んでしまうというドロドロの痴話話の舞台がこの井戸なのです。
鉄輪の井戸で縁切り縁結び
鉄輪の井戸

縁切りの菊野大明神

菊野大明神
河原町二条の法雲寺境内に菊野大明神はあります。
御神体は深草少将ゆかりの「縁切り石」。小野小町への想いを遂げられず亡くなった深草少将の怨念が籠められているのだとか。
そのパワーは強力で、京都でも知る人ぞ知る縁切りスポットとなっています。
いまでも暗くて不気味な雰囲気がありますが、昔は祠に髪の毛がグルグルと巻き付けられたり、釘刺し藁人形が置かれたりとおどろおどろしい感じだったそうです。
菊野大明神

縁切りの橋姫神社

宇治の橋姫神社縁切りで知られています。小さな小さな神社です。
婚礼の列はこの前の道を通らないことになっています。せっかくの縁がバッサリ切られてしまうので。
橋姫神社で縁切り

橋姫神社

野宮神社

野宮神社
縁結びの神社として京都でも3本の指に入る野宮神社ですが、源氏物語では別れの場所。
斎宮に選ばれた皇女が潔斎をする場所でもありました。
「禊祓清浄御祈願(みそぎはらいせいじょうごきがん)」といって縁切りのお願いも聞いてもらえます。
祓いたい物事や縁を切りたい相手を紙に書いて、桶にはられた水に浮かべます。
しばらくすると字はにじんで消え、紙は水底に沈みますので、そうすればお祓いは完了です。
野宮神社

瑞光寺

瑞光寺の枝垂桜
瑞光寺さんは縁切り寺とも呼ばれ、女性の縁切り祈願で知られるお寺だそうです。
わたしは春先の枝垂桜を見に行くだけなので、知りませんでした。
別れたい男性がいるなら21日間のお詣りをするのだそう。
瑞光寺



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